「人はなぜ逃げ遅れるのか-災害の心理学-」 広瀬弘忠

災害に対しての心理面でのリハーサルのために読んでみた一冊。

ピックアップ
正常性バイアス :ある範囲までの異常は異常だと感じずに正常の範囲内のものとして処理する
 →警告にたいしての避難率が平均50%以下の現実

パニック神話 :現実の災害現場においては、パニックのような異常行動、略奪・暴行のような逸脱行動は少ないのに、パニックを恐れるあまり、緩い避難指示を出す事で被害を拡大させる場合がある

・災害~回復
 呆然・驚愕→緊急対応モード→虚脱(1時間程度)→ 災害後のユートピア(不思議な至福感)→非常時規範(平等な助け合い 1~2週間程度)→災害症候群(鬱的症状 数日~数週間で大半が消滅)→回復期

・災害のストレスをスケープゴートに対する攻撃で解消しようとする行動

・PTSDのうち記憶障害はソフト面のみならずハード面も損傷を受ける場合がある(海馬の萎縮)

・経済的に豊かな人が貧しい人より生き残る率が高い。。。

・結局重要な地震対策 :耐震性強化とすばやい避難行動

・「洞爺丸遭難記」淵上満男

・英語:サバイバー 日本語:被災者 意識の違い:もっと生き延びたことを誇るべき

・災害後・・・急成長のコミュニティ :急速に復興 停滞・低下中のコミュニティ :ゆっくりと復興または急速に衰退

・大災害が社会そのものを変えてしまう :破壊の次に起こる再生=急速な合理化による切捨ての発生

・・・・
災害後の心理状態の変化が勉強になりました。特に災害後のユートピア??自分がもし幸いにもサバイバーとなれたとしたら、奇妙な高揚感とその後やってくる鬱感に振り回されることのないよう、どちらも長く続く心理状態じゃないということは覚えておきたいと思います。。

それから、緊急事態で助けを求めるときに、「助けて!」と不特定多数に呼びかけるのと、「○○さん、助けて!」とか「そこのあなた、助けて!」と人を特定して呼びかけるのとで全く救助される確率が変わってくる(当然といえば当然と思うけど・・・(^^;)、実際それで生き延びたおばさんがいるという話も面白かったです。(「あなたが私を助けるのよ!」と目をじっと見て訴えたとのこと。)

ともかく災害なんかに会いたくないけど、心の準備だけはしておきます(> <) 無事に人生まっとうできますように・・・(@@; 「人はなぜ逃げ遅れるのか-災害の心理学-」 広瀬弘忠

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