自分の仕事をつくる (ちくま文庫)
西村 佳哲
読んでみたら、予想以上に得るところの大きい一冊だった。働くとはなにか。自分にも周りにも喜びをもたらす働き方ってなにか。
ピックアップ
・いいモノをつくっている人の働き方は、彼ら自身の「働き方」を形づくることに、まず投入されている
・「概念」が、生きた体験を矮小化する
・省略されたインタフェースが、モノづくりをめぐる前提条件として学習・認識されてしまう
・本人の「解像度」の高さが、その人のアウトプットの質を高める。観察を通じたイメージ精度の向上
・「合理的であること、生産的であること、無駄がなく効率的に行われることをよしとする価値観の先にあるのは、極端に言えばすべてのデザインがファーストフード化した、グローバリズム的世界。そのゲームから降りて、仕事の中に充実感を求める時、私たちには「時間」を手元に取り戻す工夫が求められる」
・・・まさに、ミヒャエル・エンデ「モモ」で提起されている問題。。
・チームの強さ・・・コンセプトの精緻化より、スタッフ間のコンテクスト(共有知)を育むこと
・優れた技術者は、技術そのものでなく、その先にかならず人間あるいは世界の有り様を見据えている
・本当の問題を発見することの大切さ。問題に深くアプローチするには、早い段階から可能な限り具体的にテストし、トライ&エラーを重ねていくこと
・自分がしっくりこないことや疑問に思うことを素通りさせずに、つねに意識し続けること。自分を大事にすること。自分らしさを模索し続けること。
・「いい仕事」とは、思い切り単純化すれば、「嘘のない仕事」を指す?
・『1分間マネジャー』 人は気持ちよく働いているときにいい成果をだす
1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか!
K.ブランチャード S.ジョンソン 小林 薫
・最大の敵は常に自意識。個性的であろうとするより、ただ無我夢中でやるほうが、結果として個性的な仕事が生まれる
...
「いい仕事」を実践している人たちの言葉は深い。指針としたい言葉に満ちた本だった。
手放さずにいて、仕事を原因として自分を見失いそうになったら、また読みたい。
本棚行き。
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