1981年『読書の方法』の加筆・修正版。
ピックアップ
・既知を読んでいるだけでは本当に読んでいるとはいえない→未知の読みの準備段階
・既知読み=”アルファー読み” 未知読み=”ベーター読み”
・教育はことばによって、未知を準経験の世界へ移していく作業
・新聞は現代における重要な社会教育の機関
・ヴォリンゲル『抽象と感情移入』
・幼児期に一生を左右する 母乳語=既知(具象) 離乳語=未知(抽象≒ウソ)
わるいことをしたときに、ことばでも叱る
・「韋編三絶(いへんさんぜつ)」本の綴糸が三度も切れるほど、1冊の本を繰返し読むこと
・未知を学ぶテキスト 古典 時代を経ても淘汰されることのなかったもの
・わが生涯の書ときめた本を、それを絶えず読み返すことでもそれなりの成果はある
・外国語学習は、未知を読む修練としては、古典と並ぶ有力な方法
・いわゆる幸福なひとは、読書の奥義に参入することが難しい
・寺田寅彦『科学者のあたま』
・耳で書き、耳で読む ことばが洗練される
・禅の公案(参禅した者が悟りに入る手段として、師家から与えられる問題)は未知読みの極限
・くりかえし、時間をかけて読まれるもの=古典化 価値のあるものは古典化、そうでないものは自然に亡失、湮滅 読者は古典をつくる、読みは、かくして、きわめて創造的
・創造的、創作的な読みは、その読者に固有の意味を作り上げる(必ずしも作者の意図とは一致しない)
・古典化読みの必要 ひたすら本文に徹して未知を読む、真に未知を知る手段
...
自分にとっての何度も読み返す「古典」ってもっていない・・・
この本を読むことで、難解な本、とっつきにくい本にあえてチャレンジしたくなってきた。それに10冊読むくらいの時間がかかってしまったとしても、自分の頭の中に変化がおきるのかもしれないと思うと、面白い!!
それから、いわゆる幸福なひとは、読書の奥義に参入することが難しいっていうのも面白かった。
確かに難しげな読書に没頭するのは悩んでたり満たされなかったりするときかも。でも、そうして生まれる集中力も、ふやけてない点がすばらしい。プラスに転換。
ここのところの価値観に変化を与えてくれる本でした!
相変わらず重複多い点も好き。それぞれのエピソードの結末すっかり忘れている自分にがっかりするけど。。。
難しげな本・・・探してみよう。
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