「誰がために鐘はなる」ヘミングウェイ

世界の文学〈第22〉誰がために鐘はなる (1968年)
B000J98DEC

読んだのはこのリンク先ではなく、千趣会の「世界文学全集 第24巻」 昭和52年発行版。amazonにはなかった。
調べたら、全24巻だったので、これがちょうど最終巻だった。

装丁が美しくて好き。

とってもすてきな雰囲気なのに、ブックオフで105円。

感想。。。

1930年代のスペイン内乱を描いたストーリー。

かなり大作だったけど、書かれている内容は4日間くらいのもの。
それくらい密度の濃い4日間がよく描かれていて、まったく退屈さを感じなかった。

すごく面白かった!!

どんな立派な仕事をやり遂げる人間も、頭の中は、誰もが感じる葛藤や迷いや制御できない連想や、そういうものがめまぐるしく動いているっていうことがリアルに描かれていた。

映画で観てしまえば、ただ「適切に動いている人間」ってだけになってしまうのに。でもほんとは色々な考えをぶわーーっと総合して、一つの行動にたどり着いている。
現実世界でも人の心の中はめまぐるしく動いている。それは自分だけが知っていること。でもみんなそうなんだってことが学べる。(当然のことなのだけど、ここに全く思い至らない人間が無差別殺人とかするんだろう)

それから、この作品からは、今まで聞いていた「小説の魅力」っていうものを強く感じた。

スペイン内乱なんてまったく知らなかったけど、その時代に生きてさらにこの戦争にかかわった人の様子や心情、時代の雰囲気がすごく伝わってきた。

小説を通して、歴史的事実を疑似体験する。

いろいろな立場に置かれた色々な時代の人のことを、年表を覚えるような勉強の仕方ではなくて、こういう人間ベースの見方で学んでいくのはすごく有効(歴史を知るのに)な気がする。

小説もいろいろあるけれど、やっぱり何十年も読みつがれているものって価値があるように思う。

やっぱり文学全集がほしい。。。105円で全部そろうだろうか。。(@@;

読んだこと無い名作が死ぬほどある。
これからも楽しみ!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました