言葉を育てる―米原万里対談集 (ちくま文庫)
米原 万里
対談集といいながら、すごく内容の濃い1冊だった。
読み飛ばすことができず、じっくり読んだ。すごく面白かった。
この米原万里さん(ロシア語翻訳者)の教養の深さ、素晴らしい。
さまざまな物事や歴史を知っているから、対談それ自体が深くなって面白いものになる。
少しピックアップ
・本は一番軽く持ち出せる日本、そして外国
・欧米では同じ言葉の反復を嫌う、繰り返し同じ言葉を使う人は教養が無いと思われる
・(外国語の才能について)何度も何度も目にしたり、何度も何度も文字で目に入ったりすると自然に身についてくる。何度も何度も繰り返すこと。外国語の才能あるなしは全然関係ない
・(落語は)声にした、文字にならない芸術
ほか、辻元清美さんとの対談で、特に印象強かった言葉、『「物」より「事」』。(辻元さん発?)
これからは、消費をするにしても、物を買うことだけじゃない。いろいろな体験をしたり芸術を楽しんだり人と出会ったり、そういう自分を豊かにする『事』に使う。
。。。
今物は溢れていて、これ以上の便利さや過剰な量はいらない。
これから「新しい」何かが登場するにしても、芸術や「新しい考え方」や、そういった『事』がどんどん溢れる世の中になったら確かに素晴らしいなと思った。
『物』より『事』。
自分も経済的にどうあろうと、心を豊かにすることに時間を使っていきたい。
資源が枯渇する中、これから社会的にも『物』より『事』に必ずシフトしてくると思う。
まだまだ世の中には可能性がある。
自分自身、この世の中を滅ぼさないための「新しい考え方」や叡智の一つになれるよう、考えたり知識を得たりすることを怠らずにいなくては。
まずは一歩一歩。
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