愛ってめんどくさい (ヴィレッジブックス N ア 1-1)
実川 元子
フランスの元 ハードコア・ポルノ女優、ラファエラ・アンダーソンの自伝。
ピックアップ
・(このポルノ女優という仕事を)「以前はお金のためにやっていたけれど、今は何のためにやっているのかわからなくなっている」
・何年間も捨ててきたもの、自分自身、自分のセックス、自分の自尊心
・「ベーゼ・モア」
・・・
原題は「Hard」。「愛ってめんどくさい」っていう邦題はあまり内容に合致していないような・・・? やってることは放蕩に見えるけれど、彼女は彼女なりに真剣に思うようにならない人生や愛と闘っているように見えます。
このラファエラ・アンダーソンさんは、生年月日をみたら自分と同い年でびっくり。同じ長さを生きているけれど、人生を彩る内容が全く違う。
ポルノ女優を始めた当初は酒も全く飲めず、ドラッグも断固拒否だったはずなのに、だんだん酒を飲む描写が増えていって、最終的には激しく飲む生活。それからドラッグにはまって破滅寸前に。
本人が描いていたとおり、この仕事は、どんなにタフな女性でも自尊心が破壊されていくものだな、、と思いました。失われた何かを埋めるために、麻痺させるものがいる。
特に、ハードコア・ポルノの描写が出てくるけれど、壮絶、、の一言でした。何が楽しいのかさっぱりわからない。それを演じている女性もたいてい泣きながらお金のためにやっている。
これもまた、「現実」を見せつけられる本でした。
いつも思うことは、自分自身すごく恵まれていて、なんの文句があるのかっていうゆるい場所にいるということ。
こうした苦しみを経験した人の、100分の1も痛みを味わってない。。
自分がそういう位置にいるということは、忘れないでいたい。
傲慢になったり、悲劇ぶったりしないということ。
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