自閉症だったわたしへ (新潮文庫)
ドナ ウィリアムズ Donna Williams
自閉症児として様々な経験をして大人になった、ドナ・ウィリアムズさんの自伝。
。。。
ピックアップ
・心を飛び立たせていろいろなものに同化するのがとても楽しくて、ことばを理解するなどという平面的な行為にはとても興味が向かなかった
・人間にとって結局大切なものは、知識ではなく、その人の精神ではないだろうか。知識を求める心ではなく、知識を先導してゆく、精神
・これからの時代は、自閉症児にパソコンを使った学習がおおいに効果を上げるのでは(対「人」に向かわなくて済み、勉強に集中できる)
・人真似をしたり、物をグループ分けしたりすることこそが、わたしの本当のことばだった
・(自閉症児にとって)あらゆることが間接的でなくてはならない
。。。
断片的すぎて伝わりににくいピックアップ(^^;;;。
以前も自閉症児の手記を読んで、自閉症児の内面世界をイメージしたことがあったけれど、(「自閉症児ビリーの日記」)このドナ・ウィリアムズさんの自伝は、自分が見ている自閉症児の世界について、さらに自分自身で分析や解釈を加えたもの。
あまりにも「普通の人々」と違う世界の見え方や感じ方について、とても興味深く勉強になった。
自分の見えている世界、感じている正義を絶対と思ってはいけないと強く思った。
自閉症児にとっては、体の触れ合いや「思いやり」のような行為、そういった外の世界からの侵略は死にも近い苦しいことらしい。(すべての人のすべての種類の接触を断つということではないけれど)
「世の中」と自分自身との間に感じるものすごい深い断絶。
普段生活していては想像もできないその内面世界を描いてくれたとても貴重な手記だった。
本当に理解することは難しいけど、漠然とでもイメージをつかむことができた。
いつでも思うことだけど、なるべくさまざまなの人の「世界」をイメージできたらと思う。
同じ場所・同じ立場にいたとしても、人の内面世界は驚くほど違うものだと思うので。。
まだまだ修行が必要だ。(^^;
本というのはそういった他人の内面世界をのぞけるような素晴らしいツール。
これからも少しずつでも触れ合っていきたい。
コメント