「遺品整理屋は見た!孤独死、自殺、殺人・・・あなたの隣の現実にある出来事」吉田太一

遺品整理屋は見た!
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著者の仕事は遺品整理業。さまざまな事情で引き取る人がいない遺品を引き取って処理し、孤独死の場合にはその遺体が残していった痕跡を、臭気も含めて完全に除去し、原状回復する、といった仕事。

想像を絶する、悲惨な部屋の原状回復の場面など、凄いです。

ピックアップ

・孤独死した56歳の男性。トイレのドアの下半分に蹴破ったような穴と、冷蔵庫の扉に「忍耐」という大きな文字

・孤独死が増えることによって大家のリスクも益々増える⇒独居老人を拒む家主が増える⇒老齢ホームレスの増加、老人施設の不足の表面化

・手首を切ったり刃物を使った自殺は、痛さと苦しさで暴れまわって死ぬ場合が少なくない

・孤独死の方の3割が部屋にエアコンがなく、さらにその中の1割が固定電話も携帯電話も持っていなかった 「都会の孤島」

・独居老人の孤独死は、実際のところ55歳から65歳の年齢層が最も多い ・・・老人に比べ、気を配られることが少ないため

・孤独に暮らしている人は、肉親に自ら連絡をとることはまずない:「自分の生活の現状を見られたくない」「迷惑をかけたくない」
 ・・・一人暮らしをしている親戚や家族がいる方は、ぜひ連絡を取ってあげて欲しい
 ・・・突然訪問するのではなく、自宅に招くまたは別の場所で食事をする等の気遣い

・一見豊かそうな生活を送っていた方の孤独死。しかし、死んでから1年間、誰にも気づかれなかったような人生は幸せだったのか

・みんなが嫌がることでも、誰かがやらなければならない、だからこそそれをやり遂げたときに喜んでいただける

・少なくとも自殺の場合、警察が後始末をしてくれるということはない
 ・・・飛び降り自殺の現場で、遺族に対し、『あとで掃除しておいてください』
 ・・・排ガス自殺使用の車、『後は自分で手配してください』

・自殺した人の遺族の殆どが、故人の人柄の良さを語る。本人が思っている以上に家族は気にしている

・賃貸住宅内で死亡者が発生した場合、家主は次の入居者にその事実を伝える義務がある:変死の場合、1年近くも空き部屋状態になることを覚悟しないといけない ・・・家主から遺族に対して高額な賠償金を請求される可能性もある

・いつ自分が死んでも残った家族や周囲の人に迷惑をかけないように用意しておくことは、「充実した今を生きる」ためにもとても大切なこと

...

こうして自分が普通に生きている中で、想像を絶する悲惨な状況があるんだな、、と実感する内容でした。

自分もいつ死ぬかわからないから、ちゃんと荷物の整理はしておきたいと強く思いました。

それから、一人暮らしかつ孤独な男性の部屋はこわい。(どうしても性的な方向にいきます)特に誰の目にも触れないような部屋は、妄想でいっぱいにできる。

また、孤独死ってほんとうに悲しい。。特に、親族がいるにもかかわらず、っていうケースが。。

あるおばあさんの孤独死。

実の息子が強くそのおばあさん(母)を憎んでおり、この遺品整理についても絶対に関わり合おうとしない。しかし、そのおばあさんの遺品の中には、息子さんの小さいときの成績表や工作の作品などがとても大切そうにしまわれていた。。息子に伝えたが、対応は変わらず。。

なんだか、すごく悲しくなりました。。どうしても、分かり合うことはできなかったんだろうか。。

かなり凄惨な場面の描写がありますが、現実を見せ付けられ、たくさんのことを考えさせられる良書でした。

本書は、現実ブログ 「現実にある出来事の紹介」 遺品整理ブログがもととのことなので、これから覗かせていただこう。

身近な人との絆を忘れずにいたいと思いました。幸せな現状に感謝しつつ、こういう現状があるっていうことも忘れずにいよう。

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