「自閉症」玉井収介

自閉症 (講談社現代新書 (697))
玉井 収介
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ピックアップ

・自閉症児にはコミュニケーションの機能を果たさない「ことば」「文字」が存在する≒読み・書けるのに話せない英語 →独自の文字、当て字等の発達

・会話に用いることば=非論理的、「情感」を込みにしないと読み取ることができない →自閉症児には理解困難

・記号としての文字、文章語=論理的
 ・赤ちゃんことば無しにいきなり文章語を話しだすことが多い
 ・ローマ字を覚えた子ども 母親のことを「エムエー、エムエー」と呼ぶ

・人間より機械に興味を持つ 人間の動き=非論理的 機械の動き=論理的

・矛盾、例外、仮説は理解できない

・独自の省略 電車の絵が斜めの線3本で表現 ・・・伝達の意図がないので自分の認識のみを抽出

・・・・
以前、自閉症児の書いた日記(「自閉症児ビリーの日記」??)を読んで、この日記が真実なんだとしたら、外面からは計り知れない内的世界があるっていうのがものすごく面白かった。(「面白い」って言うのはどうなんだろう・・・(@@;)

色とイメージの混乱、まず秩序を保つのがすごく大変で、自分自身もそれに振り回されて苦しんでいる。

だから、強固なまでに論理的なものを求めてしまうのかもしれない。外に発信するまでに至れないのかもしれない。

自閉症児や精神障害者については、現実に出会ったことはないのだけれど、少しでも何が起こっているのか、どういう状況なのかっていうことは分かっておきたいなと思います。

ところで、この玉井収介さんは、丁寧に、現実をありのままに捉えようっていう姿勢が伝わってくる、とても建設的かつあたたかい方に感じました。

素直によい本と思え、勉強になる1冊でした。

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