雪のひとひら (新潮文庫)
Paul Gallico
ピックアップ 省略。
素晴らしい物語でした。
空から舞い降りた雪のひとひらの一生のおはなし。
ファンタジーだけど、自分達と何も変わることのない一人の女性(雪のひとひら)がそこにいます。
キャラクターも、ストーリーも、無駄な装飾や設定は一切省かれています。主人公は、要は一粒の水。
その究極にシンプルなキャラクターが、生まれ、出会い、恋をする、ひとつになる、子どもを持つ、子どもの自立、別れ、孤独、そういったことを経験して死んでいく。
自分等と何も変わりません。
その人生の間、雪のひとひらが死ぬまで疑問に思っていること「いったい何のために自分は(ときには、、こんな思いをしてまで)生かされているのか」
本書を読み終わる頃に、ほっと「そうだったのか・・・、」と雪のひとひらと共に、その答えがほんわりと分かってきます。。
ほんとうに美しく、それでいて深いファンタジーでした。
出会えてよかった1冊。さらに、この訳書は日本語も挿絵も素晴らしいです。本棚行き。
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