快楽殺人の心理―FBI心理分析官のノートより
ロバート・K. レスラー ジョン・E. ダグラス アン・W. バージェス Robert K. Ressler
面白いっていったら語弊があるかもしれないけど、すごく面白かった。
ピックアップ
・快楽殺人の動機づけは、空想がもとになっている
・犯罪者プロファイリングの基本となる前提 ある人間の思考のありかたが、その人間の行動を方向づけている
・行動科学 精神医学、政治学、経済学、軍事学を含む人間科学に共通する方法・・・人間の心理を、あくまでその行動からとらえて、それに数量的な分析を加えること
行動科学っていうのがすごく興味深かった。そりゃ行動には理由がある。
快楽殺人犯の行動の大きな理由になっているのが、エスカレートした空想。かなりの確率で子供の頃から白昼夢に入り込む傾向があるらしい。
そのきっかけとなるのが、両親の問題行動(虐待や無関心、アルコール、ドラッグなど)等から子供の受ける精神的ダメージ。そのつらさや不当感から、自分が完全に支配できる空想の世界に逃げ込みがちになる。
さらに自身が性的虐待を受けるなどして、その空想の世界により歪んだ色づけがされていく。
なぜ快楽殺人を犯す人間ができるのかってことについて、生まれつきの要因(気質)が原因っていうのがおおいんじゃと勝手に思っていたのだけど、そうではないってことがわかったのが大きかった。
生まれた環境、生まれてからの環境、経験、トラウマ。
それにしても、マーフィーの潜在意識で全て夢が叶うなんてあるけど、快楽殺人犯の空想もそういう意味でいえば叶ってしまっている。人間の思い込み、思考パターンの循環って怖い。
自分自身の家庭においては、空想に逃げ込むなんて環境を生み出すことのないよう、風通しのよい状態が大事。。
勉強?になる1冊だった。
ところで欲を言えば、これは本来捜査する側の人間のために書いた1冊のようで、被害者の立場
になったときの心得がもう少し欲しかった。。そのときは、死ぬしかないかもしれないけど。
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