表紙がすでに笑える。
ピックアップ
・「疲れきってぐったりしたエノキダケの天麩羅」
・食欲の発揚:味の六味(甘、辛、酸、渋、苦、うま味)、匂い、テクスチャー、雰囲気や触感。
・中国料理「龍」:蛇 「虎」:猫 「鳳」:鶏
・美味だった虫のランク付け:第1位:カブト虫の幼虫 2位:イナゴ 3位:蜂の子 4位:竹虫(中国) 5位:赤蟻(カンボジア)
・セミの成虫はなんともいえない異様な匂いがして不味い。特にアブラゼミ。
・シオカラトンボはまだ食べられる
・羊の血の腸詰 強烈な血の臭み+獣臭
・カラスの肉 線香の臭い
・冷えたビールが美味い訳 :冷たいほうが、そこに溶け込む保存炭酸ガスの量が高まる
・日本の「水の食文化」水が美味しかったからこそ生まれたもの:茶、味噌汁、米、そばなど。。
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農学博士、醸造学・発酵学・食文化論専攻の著者の世界中の「不味い」もの論。
不味い駅弁やカレーライスからはじまって、世界一臭い食べ物といわれるスウェーデンのシュール・ストレミング、中国の○十年ものの蛇酒、あらゆる虫、幼虫、ともかく世界中の大抵の人は食べないよってものを著者が実際に食べて論じてます。
不味いものといっても、不味い体験をわざわざしたくて無理やり食べているわけではなく、美味しいかも。。と期待して食べてみたり、好奇心から試してみたり・・といった前向きな姿勢。
それゆえに起こる失望や衝撃。とても面白いです。
さらにさすが研究者で、それぞれの「不味」の原因や「不味」を感じさせる成分について専門的に分析しています。
自分で食べる勇気がなくても、この食べ物の味ってどんなもんだ?ってことを知るのにとってもお得な本だと思いました。
また、嵐山光三郎さんの解説が個人的には好き
・小泉教授が「不味い」と漢字で表記しているのは、「美味い」ものへの対立として。
・「旨み」はあるけど「まずみ」はない、「まずの素」って調味料を作れば、ダイエット用として売れるかも
・不味いものには下品の品格がある
特に「まずの素」が気に入りました。(@@
まずの素入りまがいの料理を作らないよう肝に銘じて、料理がんばろう。
貴重な体験談満載かつ、まずもって見かけない「不味い」に着目した貴重な本でした。
著者、小泉武夫さんって方はきっと人柄も面白い人なんだろうなと感じました。。TV等で見かけたら注目してみよう。
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